減塩だけじゃない!高血圧改善に必要な3つの方法と改善されないときの対策

  • 2023年3月25日
  • 2023年3月25日
  • 高血圧

高血圧は、本当に改善すべきものなのか?

 現在、多くの人が抱えている高血圧。高血圧とはなんらかの理由で血管の中を流れる血液の量が多くなったり、血管が細くなったりして血管の壁にかかる圧力が高くなった状態のことをいいます。健康診断や人間ドックで指摘された方も多いのではないでしょうか。実際、健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘された経験がある方は全体の32.1%にも上り、男性では30代でも5人に1人が、40代でも3人に1人が指摘されている、というデータがあります。

 ところで、高血圧になると身体にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。実は、高血圧そのものだけでは自覚症状はないことが殆どです。ではなぜ高血圧を放置しておくのがいけないのでしょうか。その答えは心臓や血管に対する強い負担にあります。

心臓や血管に対する強い負担とは何か?

 通常、心臓は1分間に60~100回のペースでポンプのように収縮して全身に血液を送っています。高血圧の状態が長く続くと心臓や血管に強い負担がずっとかかっている状態になります。その結果、脳卒中(脳の血管が詰まったり破れたりすること)や心筋梗塞(心臓の周りの血管が詰まること)などの病気を引き起こす可能性が上がってしまいます。

 実際、収縮期血圧が10mmHg上昇すると、脳卒中のリスクが男性で約20%、女性で約15%上昇すると言われています。

 以上の理由から、高血圧を放置しておくことは知らない間に身体に大きな負担をかけ続けていることになるのです。そのため何らかの方法で改善が必要です。では、どうやって改善していけばよいのでしょうか。この記事では、それに対する具体的な方法を紹介します。

高血圧を改善する方法とは?

それでは、高血圧を改善する具体的な方法はどのようなものがあるのでしょうか。主に次に挙げる3つの方法があります。

塩分を減らした食事をする

塩分を多くとると血圧は高くなります。厚生労働省の調査によると、日本人の1日あたりの塩分摂取量の平均値は男性が10.9g, 女性が9.3gとなっています(2019年)。高血圧重症化予防のために厚生労働省が推奨する塩分摂取量は男女とも6.0g/日未満であることを考えると、現状の塩分摂取量は非常に多いと言えます。

 塩分摂取量を減らす工夫としては、「香辛料を使う」「食物繊維を積極的に摂取する」「減塩醤油を使う」といったものが挙げられます。

 コショウのような香辛料はそれ自体が香ばしい味付けになりますし、食物繊維は腸からの塩分吸収量を減らしてくれます。

 また、食材・食品の入った袋にナトリウム(Na)の値が表示されていることがありますが、この値がそのまま塩分量を表しているわけではありません。塩分はNaClの形で換算されているため、実際に摂取している塩分量は表示されているナトリウム値に2.5を掛けた値となるのです。自分で減塩をしようと思っても、実際にはなかなか減塩出来ていない理由の一つにこのことが挙げられます。

全身を使う有酸素運動を行う

 有酸素運動(ウォーキング・ジョギングなど)は高血圧を改善する、という報告があります。以下の論文では、40分の有酸素運動を週に3回行った人々はそうでない人々と比べて収縮期血圧値(高い方)が7mmHgほど下がった、という研究結果が出ています。外来で測定した血圧は10mmHgも下がっている、という結果もあります。血圧を10mmHg下げることが出来れば、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクを15~20%下げることができます。

 有酸素運動を行うことで血流が良くなり、その結果血管や心臓に対する負担が軽減するため血圧値が下がる、と考えられています。有酸素運動を行う際は出来れば20分、最低でも10分は運動を続けるようにしましょう。脂肪の燃焼も行うことができ、こちらも高血圧改善に繋がります。

 血圧を降下させる薬剤

 現在、血圧を降下させる様々な薬剤が販売されています。軽度の高血圧であれば薬物療法は不要であるケースが多いですが、なかなか治らない場合は薬剤と1や2で挙げた、薬物を使わない療法を並行して行うことで、治療の効果を強めることができます。MIZENクリニックでは患者様の生活様式に合わせた薬物療法を提供しております。

高血圧が改善されない場合、何か別の病気が隠れているかも?

 上記のような生活習慣の改善や薬物療法を行っても中々血圧が下がらない場合、何か別の病気が隠れているかもしれません。これを「二次性高血圧」といい、この場合高血圧を引き起こしている元の病気の治療をしない限り血圧値を改善することができません。高血圧の方の約10人に1人が二次性高血圧であると言われています。

 二次性高血圧を引き起こす代表的な病気の一つに「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」という疾患があります。睡眠時に喉がふさがることにより睡眠時に何度も呼吸がとまる疾患であり、肥満等が原因となります。日中の眠気、起きたときの頭痛、高血圧、糖尿病、心筋梗塞などの病気のリスクを高めると言われており、放置しておくと日々の生活の質を下げるだけでなく将来的に致命的な病気を引き起こしてしまうかもしれません。

 MIZENクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群に対する治療を行っております。日中の眠気やいびきに悩んでいる方は是非一度受診をしてみてはいかがでしょうか。

 その他にも二次性高血圧を引き起こす疾患がいくつか存在します。「減塩や有酸素運動を行ってもなかなか血圧値が改善しないな」というお悩みを抱えている方は、MIZENクリニックにて精査することをおすすめします。

高血圧を改善するよう指摘されたら

 高血圧は無症状のことが多く、現在は普段通りの生活を送ることができていても、放置しておくと致命的な疾患を引き起こす可能性を大きく高めてしまいます。高血圧は生活習慣と密接に関連した病気であり、生活習慣の改善により対策できる病気です。お悩みの方は是非一度MIZENクリニックの受診を検討してみてはいかがでしょうか。当クリニックでは血圧値を改善するために、あなたに合った具体的なプランを提案いたします。

参考文献

1.OMRON社https://www.omron.com/jp/ja/news/2017/05/img/h0511.pdf)

2.厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課.健康日本 21.資料.[III]

3.Lopes S, Mesquita-Bastos J, Garcia C, Bertoquini S, Ribau V, Teixeira M, Ribeiro IP, Melo JB, Oliveira J, Figueiredo D, Guimarães GV, Pescatello LS, Polonia J, Alves AJ, Ribeiro F. Effect of Exercise Training on Ambulatory Blood Pressure Among Patients With Resistant Hypertension: A Randomized Clinical Trial. JAMA Cardiol. 2021 Nov 1;6(11):1317-1323.

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