糖尿病を予防するためには?生活習慣について分かりやすく解説

  • 2021年10月25日
  • 2024年6月28日
  • 糖尿病

そもそも糖尿病になる原因って?

日本人の糖尿病患者さんの約95%が2型糖尿病と言われています。

2型糖尿病の原因にはさまざまありますが、主に「太り過ぎ」「運動不足」「ストレス」などの生活習慣によって引き起こされやすくなることが知られています。
そのため、生活習慣を改善していくことが糖尿病予防の大きな一歩となります。

キーワードは“インスリン”

インスリンは血液中の糖分を上手に処理し、エネルギーに変えてくれるホルモンです。
生活習慣によって「インスリンの作用不足」が起こると、血液中のブドウ糖を上手に処理できなくなり、血糖値の高い状態が続くようになります。
原因については下の章でも詳しく説明していきます。

生活習慣は大きく分けて「食事」と「運動」


生活習慣が大事。
「でも、そう言われてもどうやって直すの…?」「それは分かっているけど、なかなか難しくて…」
そう思う人もたくさんいますよね。
大丈夫!分かりやすく解説しますので、これから一緒に生活習慣を守るコツを見ていきましょう。

「食事」「運動」大きく分けて2つのポイントについて解説していきます。

糖尿病予防になぜ食事が大事なの?


糖尿病の原因となるインスリン


インスリンとは、血糖値を下げるホルモン。

2型糖尿病はインスリンの分泌量や、インスリンのはたらく力が不足して起こる病気です。
アジア人はもともと欧米人に比べてインスリンの分泌量が少ないことが知られています。脂肪や砂糖、果糖が多い欧米型の食生活を小さい頃から続けていくことで、だんだんと糖分の処理が追いつかなくなり、血糖値は上がりっぱなしになります。
そうなるとすい臓がインスリンを分泌するのに疲れてしまい、さらに分泌する力が衰えてしまいます。

ファーストフード

食事を見直そう「バランスの取れた食事を適切量取る」


糖尿病を完全に治すのは難しいですが、「バランスの取れた食事を適切量取ること」を意識すれば すい臓の負担は軽くなり、インスリンの分泌能力が改善していくことが知られています。

では「バランスの取れた食事を適切量取ること」とは具体的にどんなことなのでしょうか。
実は、毎日のちょっとした心がけで守れるものばかりなのです。

糖尿病予防につながる食生活とは


(基本)糖尿病予防につながる食事のポイント

  • 朝、昼、夜しっかり食べる。
  • ゆっくり、よく噛んで食べる。
  • 食物繊維を多く含むもの(野菜、海藻、キノコなど)を食べる。
  • 腹八分目でストップしておく。
  • 寝る前に食べない。
  • 野菜→汁物→主菜→ご飯の順番でバランスよく食べる。
    (糖の吸収を緩やかにし、食べすぎを防いでくれます。)

まずはこれらの「ちょっとした心がけ」を毎日の生活に取り入れることから始めてみましょう!

うまく続けられないことも、もちろんあります。
そんなときは、時々、好きなものを食べてもよいご褒美の日を作ってもよいでしょう。 また、一度に全部を守ろうとすると難しいかもしれません。まずは自分にできそうなものを2、3個見つけて、守りきるということを目標にしてみてもいいかもしれません。

コラム: バランスよくとは?
いろいろな栄養素を、適量とるのが、バランスのとれた食事です。

栄養素がどのくらい含まれているのか毎回確認するのは大変ですよね。
日本糖尿病学会が出版している「糖尿病食事療法のための食品交換表」では、私たちが日常食べている食品を、多く含まれている栄養素によって6つの食品グループと調味料に分けて 80kcal(1単位)のエネルギーを含む食品の重量を掲載しています。書店やAmazonでも購入できますので、確認してみてください。

糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版 | 日本糖尿病学会 |本 | 通販 | Amazon

(応用)カロリー計算でメニューを決める


本格的に予防をしたい方は、糖尿病予防の基本となるカロリー制限をしてみましょう。 (難しいと思う場合は飛ばしてしまっても構いません。)

これから紹介するカロリー計算をすれば、あなたの一日に必要なカロリー適切量が分かります。

[一日の適切なエネルギー量]

私たちの体は体格や運動量によって、一日に必要なエネルギーの量が決まっています。
人によって事情が違う場合もあるので詳しくは主治医と相談して決めたいですが、おおまかな計算であれば以下のようにできます。

①まずは標準体重を計算
標準体重(kg)= 身長(m)× 身長(m)× 22
(例)160cmの人だったら,1.6×1.6×22≒53kg

②一日に必要なエネルギー量の計算
一日に必要なエネルギー量(kcal)=体重1kgで必要なエネルギー(kcal/kg)×体重(kg)

ここで,体重1kgで必要なエネルギーは日頃の生活によっても変わってくるので下の表を参考にしてください。

体重1kgで必要なエネルギー

座り仕事が基本25〜30(kcal/kg)
立ち仕事や通勤,家事,軽い運動をする30〜35(kcal/kg)
力仕事やしっかりした運動をよくする35〜 (kcal/kg)

(例)160cmで普段家事をする主婦であれば,
①1.6×1.6×22≒53kg(標準体重)
②一日に必要なエネルギー=(30~35 kcal/kg)×53kg=1590kcal〜1855kcal
となります。

ここで計算できたカロリーを元に普段の食事を考えてみてみましょう!

 

以上がカロリーについての基本的な考え方になります。

このように細かい食事管理をやろうとすると、個人ではなかなか難しいですよね。わからない場合は気軽に医師に相談してみましょう。

糖尿病予防になぜ運動が大切なの?


これまで食事について考えてきましたが、運動は高血糖を改善すると同時に合併症の予防にも役立ちます。

運動には以下のようなさまざまなメリットがあります。

①運動によって血液中のブドウ糖、脂肪酸の利用が促進され、血糖値が下がります。
②2型糖尿病では、低下しているインスリンの働きが強まります。
③エネルギーを消費し、減量効果 ・肥満の防止になります。
④爽快感、活動気分が向上し、ストレス解消効果があります。
⑤高血圧や脂質異常症などのその他の合併症予防になります。

まず運動をしてみよう!


運動にもたくさんあって、どれをやろうか迷ってしまいますよね。
好きなスポーツがあればそれを続けるのが良いですが、特に思い浮かばない方はまず「一日30分程度の有酸素運動(ウォーキングやジョギング,水泳など)と週2,3回の筋トレ」をやってみるのはいかがでしょうか。

糖尿病予防につながる運動のポイント

出世の階段を昇る
  • 準備運動と整理運動は、体にこれから動く心がまえや動いたあとのクールダウンとしてとても大切。運動の前後には、必ず行うように心がける。
  • 軽い運動からはじめ、少しずつ運動量を増やす。
  • 体調にあわせ、無理をしないようにする。
  • なるべく毎日できる運動を選ぶ。楽しむことが長く続けるヒケツ。

でも、忙しくてなかなかまとまった時間がとれない方は、運動なんてできないと思っていませんか?

「通勤の駅を1つ手前で降りて歩いてみる」「エレベーター・エスカレーターをできるだけ使わずに階段を利用する」などもひとつの運動の方法です。
このように日常生活の中にちょっとした工夫を取り入れることで、糖尿病になりにくい体をつくります。

注意点として、病気の状態によっては運動が逆効果になってしまうこともあります。運動療法を始める前はもちろん、始めた後にも年に1回くらいは、主治医のメディカルチェックをうけましょう。

食事と運動以外に気を付けたいこと

繁忙期1


強いストレスを感じている人は、糖尿病を発症する確率が45%高くなることが、ドイツの研究で明らかになっています。
これはストレスに反応してホルモンが血糖値を上昇させるためだと考えられています。
また、ストレスが加わって精神状態が悪化すると、過食や飲酒が増えがちになります。そうなるとストレスがさらに増し、血糖値が上昇するという悪循環に陥ってしまいます。


このようにストレスにうまく対処することも、糖尿病の予防にもつながります。

糖尿病予防はMIZENクリニックへ


いかがでしたでしょうか。「食事」「運動」2本の柱で糖尿病を予防していきましょう。

MIZENクリニックでは糖尿病の食事、運動習慣やストレスについてのご相談も承っております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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「MIZENクリニック」は、『働く人のための夜間診療内科』をコンセプトに、平日の夜17時30分から21時30分まで診察しております。 多様な専門性と診療方針の医師が、風邪などの日常病や、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をはじめ、喘息、風邪、不眠、メンタルヘルスなどお困りごとに対して幅広くご対応させて頂きます。

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