コレステロールが高いと言われたら何科に行くべき?【医師が解説】

健康診断でコレステロール値が高いと指摘されたとき、「どこの病院に行けばいいの?」と戸惑う方は少なくありません。結論からお伝えすると、まずは行きやすい近くの内科(一般内科)で問題ありません。この記事では、受診すべき診療科の選び方、受診の目安となる数値、初診で行うことを医師が解説します。

コレステロールが高いと言われたら、まず「内科」へ

コレステロール高値(脂質異常症)は、まず一般内科・総合内科を受診してください。特別な専門科でなくても、血液検査・診断・生活指導・薬の処方まで対応できます。夜間や週末しか時間が取れない方は、内科を標榜しているクリニックであれば受診可能です。

一方、以下のいずれかに当てはまる場合は、最初から循環器内科または脂質専門外来への受診を検討してください。

内科でよいケース 循環器内科が望ましいケース
健診でLDL高値を初めて指摘された
症状がない(無症状)
他の病気を内科で治療中
LDLが180 mg/dL以上で改善しない
狭心症・心筋梗塞・脳卒中の既往がある
家族性高コレステロール血症(FH)が疑われる
若年(30代以下)でLDLが200以上

 

受診の目安——どのくらい高ければ行くべきか

日本の動脈硬化性疾患予防ガイドラインに基づくと、脂質異常症の診断基準はLDLコレステロール 140 mg/dL以上(または治療目標値を超える場合)です。ただし、数値だけでなく、他のリスク因子(喫煙・高血圧・糖尿病・家族歴・年齢)との組み合わせが重要です。

LDLコレステロール(mg/dL リスク因子 推奨アクション
140〜159 なし 生活習慣改善から開始。3〜6ヶ月後に再検査
140〜159 1つ以上あり 内科受診を検討。食事指導+経過観察
160〜179 問わず 内科受診を推奨。薬物療法の検討を開始
180以上 問わず 早めに内科または循環器内科を受診

 

初診でやること——何を準備し、何を聞かれるか

初めてコレステロールを相談する場合、以下を持参すると診察がスムーズです。

  • 健康診断の結果(当年分+可能なら昨年以前の分も)
  • 現在服用している薬・サプリメントのリスト
  • 家族にコレステロールが高い人・心筋梗塞・脳梗塞の既往がある人がいれば、その情報

初診では主に問診(食事・運動・喫煙・飲酒の習慣)と血液検査が行われます。その場で薬をすぐに処方されることは少なく、まず生活習慣の見直しを3〜6ヶ月試みてから薬物療法に進むかどうかを判断するのが一般的な流れです(Eckel et al., 2014)。

 

放置するとどうなるか——知っておくべきリスク

高LDLコレステロールを放置すると、血管壁にコレステロールが蓄積し動脈硬化が進行します。動脈硬化は自覚症状がないまま進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中として現れます。Grundy et al.(2019)の米国心臓病学会/米国心臓協会ガイドラインでは、LDLコレステロールの10 mg/dL低下ごとに主要心血管イベントのリスクが約5〜6%低下することが示されています。

「症状がないから大丈夫」は危険な思い込みです。コレステロール高値は「サイレントキラー」とも呼ばれ、気づかないうちにリスクが積み上がります。健診で指摘があった場合は、症状がなくても早めに受診することをお勧めします。

 

まとめ

コレステロールが高いと言われたら、まずは内科(一般内科・総合内科)を受診してください。特別な専門科でなくても診断・治療が可能です。LDLコレステロールが180 mg/dL以上・心臓病の既往・家族性高コレステロール血症が疑われる場合は、循環器内科への受診を検討しましょう。「症状がないから大丈夫」と放置せず、健診後はなるべく早めに相談することが大切です。

参考記事:

コレステロールの基準値とは?LDL・HDL別の目安と超えた時の対処法

 

MIZENクリニック豊洲では、平日夜間・土日も脂質異常症の診療を行っています。「健診でコレステロールが高いと言われた」「仕事で日中に受診できない」という方はお気軽にご相談ください。

 

参考文献

  1. Grundy SM, et al. (2019). 2018 AHA/ACC/AACVPR/AAPA/ABC/ACPM/ADA/AGS/APhA/ASPC/NLA/PCNA Guideline on the Management of Blood Cholesterol. J Am Coll Cardiol, 73(24), e285–e350. https://doi.org/10.1016/j.jacc.2018.11.003
  2. Arnett DK, et al. (2019). 2019 ACC/AHA guideline on the primary prevention of cardiovascular disease. J Am Coll Cardiol, 74(10), e177–e232. https://doi.org/10.1016/j.jacc.2019.03.010
  3. Eckel RH, et al. (2014). 2013 AHA/ACC guideline on lifestyle management to reduce cardiovascular risk. J Am Coll Cardiol, 63(25), 2960–2984. https://doi.org/10.1016/j.jacc.2013.11.003

 

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著者:田澤 雄基(たざわ ゆうき)

医師、医学博士
MIZENクリニック豊洲 院長
慶應義塾大学医学部 特任講師

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