その原因不明の体調不良は「自律神経の乱れ」から?「自律神経失調症」の原因・症状・治療・うつ病との相違点について解説!

なんだか身体が怠い、疲れが取れない、イライラする…。日常生活を送る中で原因不明の体調不良に悩まされて、病院に行っても原因が分からない…。そんな経験はありませんか?その体調不良は、もしかしたら「自律神経の乱れ」から来るものかもしれません。近年ではストレスやメンタルケアが注目されるようになり、うつ病と並んで「自律神経失調症」といった病名を耳にする機会が増えつつあります。一方でそれぞれの原因や症状、治療法などの違いまではあまり知られていません。
今回は「自律神経の乱れ」がもたらす体調不良について、ストレスなどの原因や具体的な症状、自律神経失調症とうつ病の相違点について詳しく説明していきます。

そもそも「自律神経」ってなに?

自律神経とその働きについて

自律神経の乱れから来る体調不良を紐解くために、まずは自律神経の働きを解説します。自律神経は内臓から皮膚に至るまで身体のありとあらゆる部分に張り巡らされていて、その役割の違いから「交感神経」と「副交感神経」の2つに分類されます。交感神経は活動的に、副交感神経は安静的に働き、お互いに反対の作用を持ちます。例えば日中や緊張時は交感神経を強めて身体が機敏に動けるように、食後や睡眠時は副交感神経を強めて消化を助けたり身体を休ませるように調整をしています。また一日単位ではなく季節単位での調節をすることで、気候の変化に適応する役割も担っています。

自律神経の乱れと体調不良について

一方で自律神経が乱れた状態とは、自律神経の調節機能に支障が生じる、あるいは過度な状況変化に調節が追いつかない場合が該当し、その際に体調不良として自覚します。例えば本来は「副交感神経」が優位に働く睡眠時間に「交感神経」が強く働くと、身体が活動的になり上手く寝付けない、イライラする、疲れが取れない、といったトラブルを引き起こします。自律神経が乱れる原因として代表的なものを3つ紹介します。

1.季節の変わり目など環境変化による影響

自律神経は気温、湿度、気圧、そして日照時間といった条件に応じて事細かに機能を調節しています。季節の変わり目はこのような環境変化が大きく、自律神経の調節が間に合わないと乱れを引き起こします。具体的には、春や秋に風邪をひきやすい、夏バテや熱中症になりやすい、日照時間が短い冬に抑うつ的な気分になる、これらの傾向の背景には自律神経の機能が関与していると言われています。

2.生活習慣の乱れや長期的ストレスがもたらす影響

自律神経は本来、1日のリズムに合わせてその機能を調節しています。食事や睡眠時間が不規則であると、いわゆる体内時計の乱れとして自律神経が正しい時間に正しいバランスで働くことが困難となります。十分な栄養摂取や適切な運動は自律神経そのものの機能を整える上で重要であり、これらが欠けると十分に効果を発揮できなくなります。
また、メンタルヘルスの観点では過度なストレスに長期間晒される事が自律神経の乱れを引き起こします。適度なストレスは健康的な生活を送る上で有効とされますが、強いストレスがかかり続ける状況では交感神経が常に活性化することとなり、自律神経のサイクルを乱すことに繋がります。

3.年齢や性別が自律神経に与える影響

自律神経の乱れには年齢や性別も大きく関わります。エストロゲン・プロゲステロンといった女性ホルモンはそれぞれが自律神経に対する異なる作用を持ち、生理周期や更年期におけるホルモンバランスの変化が自律神経の乱れの原因になります。また思春期もホルモンバランスが変化しやすく、精神発育過程でストレス刺激に多感な時期であり、自律神経が乱れやすいと言えます。

「自律神経失調症」とは

自律神経失調症とは、「不健康な生活リズムやストレスにより自律神経のコントロールが乱れる事で様々な体調不良を引き起こす状態」を示します。身体のどこにどの程度の症状が出るかは人それぞれで、他の病気との見分けや体質との線引きが難しい事が特徴です。そのため、診断分類によっては正式な病気と考えられていない場合もあります。

自律神経失調症の症状

代表的な症状を下の図にまとめました。どの症状が、どの程度、どのような条件で出現するかは人により異なります。また、「片頭痛」「緊張性頭痛」「過敏性腸症候群」など、一部の病気は自律神経との深い関係が認められているものもあります。

自律神経失調症とうつ病の相違点について

メンタルヘルスの観点では、「自律神経失調症」と「うつ病」という2つの疾患が比較されることは少なくありません。いずれも生活習慣の乱れや長期的なストレスが発症の原因となり、自律神経失調症で見られる身体症状はうつ病でも同様に出現する事が少なくありません。特にうつ病の初期段階では抑うつ気分や意欲低下といった典型的な精神症状が目立たず、身体症状のみが前面に出るケースもあり、両者の鑑別が難しいことも少なくありません。
一方でうつ病は、脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の異常が明確に関与していることが知られており、医学的にも確立された精神疾患です。自律神経失調症と比べて、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、希死念慮といった精神症状が強く、かつ長期にわたって持続する傾向があります。精神科医などの専門的な診療が不可欠であり、抗うつ薬を中心とした薬物療法と休養、さらに認知行動療法などの心理的アプローチを組み合わせた療養が行われます。

*うつ病についての詳細な記事はこちらをご覧ください*

自律神経失調症かも?疑った時の対処法は?

個人で可能な対処方法

自律神経の乱れを改善するためには、自律神経そのものの機能を整えること、交感神経と副交感神経を切り替えるリズムを整えることの2つが重要です。ここでは「生活習慣」と「生活環境」の2つの観点から、代表的な改善方法をご紹介します。

●「生活習慣」から整える

  • 規則正しく栄養バランスの良い食事
  • ウォーキングやストレッチなどの適度な運動
  • 十分な睡眠と、朝の太陽光を浴びる習慣
  • 就寝2時間前までに湯船につかる
  • ストレス環境から離れて趣味やリフレッシュできる時間を意識的に確保する

●「生活環境」から整える

  • 適切な室温と湿度を保つ、外気との温度差に注意して服装を変える
  • 適切な明るさの中で作業をする、夜間は暖色で暗めの照明を使う
  • 騒音環境を避け、落ち着いた音楽を聴く
  • 定期的に換気をする、リラックスできる香りの物を取り入れる
  • 就寝前はデジタル機器の使用を避け、過度な情報や光を取り入れない

辛い時は我慢せずに病院受診を

こうした生活習慣や生活環境の見直しだけでは、十分な改善が見られない場合もあります。そのようなときは自己判断に頼らず、早めに医療機関を受診することが大切です。自律神経の乱れかもと思っていた体調不良が、別の病気による症状である可能性もあります。また、根本的な治療が出来ない場合でも、薬物療法やカウンセリングなど、医師の診療によって症状の軽減が期待できるケースがあります。症状を我慢し続けること自体がストレスとなり、自律神経のバランスをさらに崩してしまう悪循環に陥ることもあります。つらさをひとりで抱え込まず、必要に応じて専門家の力を借りることも、回復への大切な一歩です。
自律神経失調症の治療は様々ですが、ストレスが主な原因であれば精神科や心療内科が主な診療科となります。当院では精神科専門医もいますので、一人一人にあった最適な治療を提案し、一緒に治していくことができればと考えています。何か少しでも心配なことを感じたら、お気軽にご相談ください。

当院を受診した方の体験談

20代 男性
少し前から不安感を感じるようになっていてうつかなと思いつつも、そこまで症状が強くなく放置していた。
仕事に就き始めた頃から、肩こりやめまいがひどくなった。しかしこれはパソコン業務のせいだと思っていた。そんなときにこのページを見て、もしかしたら自律神経失調症なのではないかと思い受診に至った。
自律神経失調症の疑いとして本人と相談した結果、様々な身体の不調がストレスから来ていることを一緒に確認しカウンセリングを行っていくこととした。

当院の強み

1.働く人も通いやすく

仕事終わりの時間に診療を行っていないクリニックが多いですが、MIZENクリニックでは診療時間を平日夜18時から22時としています。当院では昼間はお仕事で忙しくなかなか受診できない方々の健康を、夜遅くまで診療することでサポートいたします。

2.全身の健康をサポート

当院には精神科医に加え、糖尿病の専門医など様々な領域を診ることのできる医師が揃っております。患者さんの身体面・社会生活面・精神心理面のすべての面から患者さんをサポートできます。例えば、糖尿病など他の疾患で当院にかかっていても、自律神経失調症などメンタル面でも気になる部分があれば当院で合わせて治療を行うことができます。

3.ネット予約で待ち時間を短縮

医療機関では診察前や会計までの待ち時間が長いということが通院から足が遠のく大きな理由の一つとなっております。当院ではスムーズな受付のために、予約をインターネットで事前に行って頂くことができ、予約された方から優先的に診察を受けていただいております。

4.オンライン診療

MIZENクリニックではオンライン診療によるメンタルヘルスのご相談を行っています。オンライン診療サービスcuronを使ってご自宅から医師に相談可能なので、メンタルのことでお困りの際はご活用ください。
なお、当院にはじめての受診の方は、お薬の処方はオンライン受診のみでは行えませんので、初回からお薬の相談もご希望の方はホームページからご予約の上、ご来院ください。

5.お薬の説明

やはり、精神症状に対するお薬というのは風邪に対するお薬と違って初めて服用する人も多く不安もあると思います。当院ではそれぞれのお薬の効果や副作用について丁寧に説明し適切なお薬を処方するよう努めています。何か疑問点があれば遠慮なくおっしゃってください。

6.患者さんのご意見を丁寧に伺う

当院では患者さんが何に困っているのか、どんな病気が考えられるのか、どんな治療法が患者さんにとって最適であるのかということを正しく判断していくために患者さんのお話を真摯に伺うことを心がけております。ネット予約やオンライン診療も行うことによって実際の診察の時間で深く患者さんに向き合うことを実現しております。一方的に治療を行うのではなく、一緒に考えていきたいと思っておりますので安心してご相談ください。

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