新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の症状と受診の目安

世間の話題は新型コロナウイルスのことで持ちきりです。ご家庭でテレビやインターネットを観て不安な気持ちになることも多いでしょう。「少し熱っぽいかも…」「なんだか息苦しい感じがする」「痰や咳が出ているけど、コロナの咳ってどんな感じなの?」そんな風に思って心配な方もいらっしゃるかもしれません。

気軽に病院に行くことができない今、感染したときの症状について、正しい知識をお伝えします。(本記事は2020年初頭の情報を元に作成しています)

新型コロナウイルス(Covid-19)感染症の特徴

新型コロナウイルス(SARS-Cov2)はSARSウイルスやMERSウイルスを含むコロナウイルスの一つです。2019年12月に中国の武漢で発生し、その感染は全世界へ広がりを続けています。

新型コロナウイルス(Covid-19)感染症の症状と期間

このウイルスの特徴は

  • 潜伏期間が最長14日間と長く、その間でも他の人にうつしてしまうことがある
  • 感染しても8割の人はまったく症状がないか軽症である

ということです。

そのため軽症の人が感染の自覚なしに感染が広がることも原因のひとつと考えられています。

本当に嗅覚障害や味覚障害はあるの?

芸能人やスポーツ選手の方でも、「味や匂いがわからない」というきっかけで感染に気がついたという報道がされています。 5/5に発表された大規模な研究では新型コロナウイルス感染症患者のうち嗅覚障害が約53%、味覚障害が約44%に出ると報告されています。

確かに一部の患者さんに嗅覚や味覚に異常が出ることがわかってきました。しかし、最もよく起こる症状は次の「最もよく見られる症状」であげる3つのようです。

どんな症状があるの?

感染しても無症状のことも多いこのウイルス、もし症状が出る場合どんなものがあるのでしょう?

WHOの発表によると最も起こりやすい症状は”発熱” ”空咳(からせき)” “倦怠感(けんたいかん)”の3つとされています。それぞれについて少し解説していきます。

発熱

5/8に厚生労働省の示す受診の目安から「37.5℃の発熱が4日以上続く」という項目が削除された、というニュースを観た方もいらっしゃると思います。

これは症状に個人差があるためとされています。体温は新型コロナウイルス感染症だけでなく他の病気や女性の生理周期によっても上がるので熱があるからといって必ず新型コロナウイルスに感染しているとは言えません。

発熱の定義は37.5℃以上となっていますが、平熱には個人差があります。普段より体温が高めの時は自分は大丈夫と無理をせず、外出を控えたり学校や仕事をお休みして自宅で安静にしましょう。発熱があるときは体温を記録しておくと受診する時に役立ちます。

倦怠感

倦怠感とは全身がだるい感じやぐったりする感じを指します。ただでさえ普段と違う生活をしてずっと家にいることで「コロナ疲れ」を感じている方も多いかと思いますし、軽い場合は気がつかないこともあるかもしれません。少しでもだるさを感じたら無理せず休養することが大切です。

空咳

空咳とは痰がからまない「コホンコホン」という乾いた咳のことです。空咳は新型コロナウイルスの他にも一般的なかぜや肺の病気、胃液が食道に逆流する「逆流性食道炎」などでも起こります。

こちらもこれだけで新型コロナウイルスに感染しているとは言えませんが、症状があったら外出を控えたり学校や仕事をお休みして自宅で安静にしましょう。

他にどんな症状があるの?

これまでに書いた発熱、倦怠感、空咳、嗅覚障害・味覚障害のほかに、頻度は下がりますが、息苦しさ、頭痛、鼻水、喉の痛み、嘔吐・下痢、またかなり稀ですが”結膜”というまぶたの裏の粘膜が充血するという症状が見られる場合もあります。

重症化しやすい人は?

全感染者のうち、約20%が重症化しその中の4人に1人は命に関わる状態になることが分かっています。加齢は大きな重症化のリスクであり、高齢者は特に注意が必要とされています。

他にも、以下の項目に当てはまる人は感染した際の重症化のリスクが高いことが分かっています。

  • 心疾患の既往
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 慢性の肺疾患
  • 悪性腫瘍(特に血液がん、肺がん、転移性のがん)
  • 慢性腎臓病
  • 肥満
  • 喫煙

また中国、イタリア、米国の調査から男性の方が重症化しやすいとの結果が出ています。

Lancetという医学界で権威のある雑誌で、静脈に血栓ができることが新型コロナウイルス感染症の重症化と関連があるという可能性が示されました。

これが、なぜ上記の病気で重症化のリスクが高くなるかの説明になるという見解も出ていますが、はっきりとした結論はまだわからないままです。

病院受診のポイント

上記のような症状があっても事前相談せずにクリニックや病院を直接受診することは控えましょう。

厚生労働省は「受診の目安」として以下のような基準を示しています。

  • 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
  • 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
    (※)高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
  • 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合

いずれかひとつでも該当する場合は、まずはかかりつけの医療機関か、地域の保健所の相談窓口へお電話でご相談ください。厚生労働省のページに各都道府県ごとにまとめてあるので参考にしてください。

東京都の作成したフローチャートも参考までにご覧ください(他道府県の場合、基本的な流れは同様ですが電話番号が異なりますのでご注意ください)。

新型コロナウィルス感染症が疑わしい症状や経過であり、医師が必要と判断した場合には、PCRという検査によって確定診断がされます。

そのため電話相談やオンライン診療では確定診断がつけられないこともありますが、症状があって受診すべきかどうか迷った場合は躊躇せず、まずは相談してみましょう。

今回の感染拡大によって初診であってもオンラインでの診療が認められました。新型コロナウィルスの感染が心配な場合だけでなく、持病があり定期的な通院が必要だけれど病院に行きづらくなってしまった方も利用可能です。

オンライン診療対応可能な医療機関のリスト具体的な流れが厚生労働省により作成されていますのでぜひご活用ください。

MIZENクリニックでもオンライン診療を行なっており、LINEから医師の診察を受けることができます。上記のような症状で困ったときはご相談ください。

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参考文献

  • 厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A
  • 日本医師会 新型コロナウイルス感染症外来診療ガイド第1版
  • Wu Z, McGoogan JM. Characteristics of and important lessons from the coronavirus disease 2019 (COVID-19) outbreak in China: summary of a report of 72 314 cases from the Chinese Center for Disease Control and Prevention. JAMA. Published online February 24, 2020
  • Tong JY, Wong A, Zhu D, et al. The Prevalence of Olfactory and Gustatory Dysfunction in COVID-19 Patients: A Systematic Review and Meta-analysis. Otolaryngol Head Neck Surg. 2020 May 5:194599820926473.
  • Mclntosh K, et al. Coronavirus disease 2019 (COVID-19): Epidemiology, virology, clinical features, diagnosis, and prevention. Post TW, ed. UpToDate. Waltham, MA: UpToDate Inc. http://www.uptodate.com (Accessed on May 15, 2020.)
  • Wang T, Chen R, Liu C, et al. Attention should be paid venous thromboembolism prophylaxis in the manegement of COVID-19. Lancet Haematol. 2020 May;7(5):e362-e363..Epub 2020 Apr 9.
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