インフルエンザによる吐き気症状の原因や対策、A型とB型の違いとは

インフルエンザによる吐き気症状の原因や対策、A型とB型の違いとは

インフルエンザについて

インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。例年12月から翌年3月ごろに流行し、潜伏期は1~4日(平均2日)です。発熱・頭痛・関節痛・倦怠感・咳嗽・咽頭痛などが主な症状ですが、特に小児や高齢者では嘔気や下痢などの消化器症状がでることもあります。

インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型・D型があります。A型とB型がほとんどを占め、シーズンによって変動はありますがA型が75~95%、B型は5~25%と言われています。

インフルエンザは咳やくしゃみによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手で口周りを触ることによる接触感染により感染するため、手洗い・うがい・マスク着用が重要です。

インフルエンザウイルスと吐き気の関連

インフルエンザでは呼吸器症状が一般的ですが、吐き気(嘔気)や嘔吐、下痢などの消化器症状がでることがあります。インフルエンザウイルスは主に上気道粘膜に感染・増殖しますが、消化管にも影響を及ぼすことがあると考えられており、特に小児や高齢者に吐き気の症状が出やすいとされます。
また、インフルエンザA型に比べてB型は、呼吸器症状がやや軽い一方で、吐き気や嘔吐の症状がでやすいという報告があります。下痢も併発しやすく、特に小児や高齢者では脱水に注意が必要です。下痢の頻度は、小児のA型インフルエンザでは15%程度で、B型インフルエンザでは30%程度にみられるとの報告もあります。

冬場に嘔吐や下痢の症状がある場合、ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎との鑑別も重要です。高熱や関節痛や全身倦怠感がある場合は、感染性胃腸炎よりもインフルエンザがより疑われます。

抗インフルエンザ薬と吐き気の関連

抗インフルエンザ薬のタミフル(オセルタミビル)は、ウイルス増殖を抑制することで症状の緩和に有効ですが、消化器症状が主要な副作用の一つとして知られています。内服することでインフルエンザの下痢症状は減少しますが、内服後に吐き気・嘔吐が現れることがあります。副作用が強い場合は薬剤の変更や中止を考慮します。

インフルエンザ治療と吐き気への対応

インフルエンザ治療の基本はノイラミニダーゼ阻害薬であるタミフル(オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)、イナビル(ラニナミビル)、ラピアクタ(ペラミビル)やゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル)です。これらの薬剤は発症から48時間以内の投与が推奨されていますが、48時間を過ぎても症状や重症化リスクを考慮して投与される場合があります。また、インフルエンザ治療薬には内服薬や吸入薬や点滴があり、それぞれ異なる特徴があるため年齢や症状や重症化リスクなどに応じて適切な治療薬が異なりますので、医師に相談してください。また、治療薬の副作用として吐き気・嘔吐がでることがありますが、ザナミビルはそのような副作用が比較的出にくいと言われています。

嘔吐がひどい場合は、水分補給や静脈輸液、対症療法が重要となります。病院に相談してください。

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